コーヒー豆の焙煎方法〜基礎知識編〜「一連の流れと専門用語」

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コーヒー豆を焙煎することは、一般的にはマニアックな世界に見えるのではないでしょうか?

この世界に入るまでは、確かに私もそう思っていました。

ですが、コーヒーを抽出することも、焙煎をすることも、非常にシンプルなものだと考えています。

皆さんが普段料理をするような感覚で、基本的な知識を知ると「なあ〜んだこんなことか」と

コーヒーの世界に入ってみたくなるのではないかと思い、わかりやすく一連の流れと専門用語をお伝えできたらと思います。

そもそも焙煎って何なの?ロースト?よくわからないという方は「コーヒー豆の焙煎とは?」こちらの記事を読んでみてください。根本的で大事なことを書いています。

簡単にいうと、焙煎とは生豆を焼いてコーヒー豆にすることなんですが、

ただ焼くだけなのに、専門用語、焙煎特有の操作や流れがあったりします。

もちろん、こうでないといけない、みたいな絶対的なことはないんですが、

料理と同じように、推奨したい大まかな流れがあるので、

まずはその型に則っていきましょう!

※ここでは基本的な流れを押さえて頂くため、細かい数値は省かせて頂きます。後日、細分化してアップしますので知りたい方はそちらを参考にしてください。

焙煎機にも色々ありますが、基本的な操作は同じです。

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今回はこの写真のディスカバリーを使って説明していこうと思います。これは2016年のJCRC(焙煎の大会)でも使用された焙煎機です。

大型の業務用の焙煎機をそのまま小型(250g)にしたようなもので、小さいですが焙煎機としての機能を備えています。

サンプルロースター(少量の豆の品質チェックのために行われる焙煎のこと)としても使用されます。

焙煎機の種類やタイプに関しては、ここで話すと長くなるので次回以降に回します。

この写真に出てくる用語の多さに圧倒されるかもしれませんが、大丈夫です。

それでは順番に見ていきましょう。

基本操作の確認

焙煎をしている間に操作することを確認します。実は2つしかありません。

  • 火力調整
  • ダンパー調整

そう、たったこれだけです。

「生豆を入れて→火力・ダンパー調整をゴニョゴニョやって→コーヒー豆を取り出す」

ほんとシンプルですよね?

ダンパーという言葉が馴染みないと思いますが、

要は写真の“排気ダンパー”というところを開けたり閉めたりすることで、内部の空気の流れや圧力を調整しています。

ということはですね、

  • いつどれぐらい生豆を投入するか
  • 火力をどうするか
  • ダンパーをどうするか
  • いつコーヒー豆を取り出すか

この4つでコーヒー豆の味を表現していきます。

それぞれの操作の考察は後日書くとして、

今日は流れと用語を確認していきましょう。

※但し、ダンパーというものが備わっていないものもあります。

1、予熱運転

まず、電源・ガスを開いて、焙煎機そのものを温めます。

理由は簡単で、

焙煎機とは金属の塊なので、予熱をせずに生豆を投入しても、

なかなか生豆に思い通りの熱が伝わってくれないからなんですね。

チャーハンを作る時も、中華鍋をよく温めることが大事だと言われます。それは、火力と時間が美味しいチャーハンのコツだからです。

なので、焙煎機が大きければ大きいほど、予熱運転はしっかりと取る必要があります。

ちなみにディスカバリーで30分ほどですね。

2、生豆投入

十分に焙煎機が温まったら、生豆ホッパーから生豆を投入します。

この焙煎機は250g用の大きさなので、大体150g〜200gの生豆が焼きやすい量です。

少なすぎると、熱が伝わりやすいのでコントロールが難しくなりますし、多すぎると熱が伝わりにくいです。

3、火力とダンパーをゴニョゴニョする

あとは自分が熱をどのように与えたいかを元に操作していきます。

火力と熱の関係は言わずもがなでしょう。

ダンパーですが、簡潔に言うと

開いたら空気の流れが良くなり圧力も弱くなるので、熱は抜けやすくなります。

逆に閉めたら、空気がこもってる状態になるので圧力も高くなり、熱がこもっていきます。

これら、火力とダンパーをゴニョゴニョすることで、生豆に与える熱エネルギーを操作することが焙煎の肝になるわけです。

焙煎による生豆の変化

さて、焙煎していくと生豆の様子は刻々と変化してきます。その様子は“テストスプーン”と言うところから取り出して目視することができます。

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上の写真は、焙煎してからの変化の様子です。

色の変化

パッと見た感じだと、が変わってますね。最初は淡緑色だったのが、

淡緑色→黄色→黄金色→茶色→焦げ茶色→黒に近くなっていく

と言うように変化していきます。

表面のシワ

あと、写真からは分かりにくいですが、豆の表面のシワも変化しています。

シワができたり、伸びたりします。

香りの変化

そして、香りにも変化が出ます。

生豆には、ほのかに青っぽい匂いがするものが多いですが、

焙煎の進行度合いによって香りが甘くなったり香ばしくなったりします。

「ハゼ」

中でも、一番大きな変化は「爆ぜ(ハゼ)」と言われる音です。ハゼには、1ハゼ(パチパチという音)と2ハゼ(ピチピチという小さめの音)があります。これは焙煎の後半で起こる変化で、煎り止め(いつコーヒー豆を取り出すか)の目安になったりもします。

  • 1ハゼ:内部蒸気圧の上昇による細胞の破裂音
  • 2ハゼ:組織が膨張し破壊される音

焼き方によって1ハゼの音は変わりますし、2ハゼいく前に止めることも全然あります。

以上、

  • シワ
  • 香り
  • ハゼ

これら視覚と嗅覚と聴覚を使いながら、焙煎の進行具合を確認できます。

経験を積んでいくと、それらの微妙な感覚の違いが分かってきます。

また、焙煎が進行していくと、チャフと煙が出てきます。

チャフというのは、コーヒー豆の皮です。煙は蒸発した水分によるものですね。

4、コーヒー豆を取り出す

最後は、自分の思い通りの焼き加減で取り出すだけです。

焙煎されたコーヒー豆は、豆自体が相当の熱を保持しているので、

取り出してもその熱だけで焙煎は進行していきます。

そのため急速に冷ます必要があります。

そこで、冷却攪拌スイッチをオンにして、前蓋を開け豆を取り出します。

豆が冷めるまで、十分に撹拌します。

これで焙煎の一連の流れは終了です。

どのタイミングで取り出すかによって、焙煎度合いが決まります。

さて、なんとなく焙煎の流れは掴めたでしょうか?

まずは型を知って、操作に慣れたら、経験と感覚を磨くためにどんどん焙煎していきましょう。

シンプルですが奥が深い世界へようこそ。

次回は、「コーヒー豆の組織変化・化学変化」について書こうと思っています。

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