
早くから品種研究を重ねて整えた管理体制によって、世界の中で最も優れたコーヒーを生産する国の一つとなっています。
特にヨーロッパで高く取引されるケニアの魅力に迫ってみましょう!
- 地理的特徴と主な産地
- コーヒー事情
- コーヒー豆の紹介
1、地理的特徴と主な産地
国土
キリマンジャロ山を挟み、タンザニアと国境を接しています。
主な産地
- キリニヤガ
- エンブ
- ニエリ
- ルイル
- チカ
- メル
- 国土西部(キタレ、ブタレ、キシイなど)
- 国土南部(キリマンジャロ山の東側)
土壌は水はけの良い赤土のロームになっています。
尾根が谷に向かって緩やかに傾斜して、谷間には川が流れ、肥沃な土壌が斜面を厚く覆っています。
気候
熱帯気候・温暖湿潤気候です。
雨季が年に2回、3〜5月大雨季・10月半ば〜12月小雨季となっています。
2、コーヒー事情
ケニアでは、農業省内にコーヒー局が設けられ、公的機関がコーヒー産業を監督し、国をあげてコーヒー産業の振興に力を入れています。
品種
大部分がアラビカ種で、SL28、SL34が主力品種です。
※SLとはかつてナイロビにあった研究所「スコットラボラトリー」の略で、SL28もSL34もブルボン種から選抜された数多くの品種の一つです。
SL28は干ばつに強く、SL34は高地での栽培に適応しています。
最近はさび病などに耐性のあるルイル11を植える傾向があります。
ルイル11は、カチモールとSL種の交配種なので、ケニア独特の香味の特徴が弱いのが残念です。
栽培
収穫期が年2回あります。
- メインクロップ9〜12月
- サブのフライクロップ5〜7月
精製
農協の場合、収穫されたコーヒーチェリーは近くの「ファクトリー」と呼ばれる精製施設に運ばれます。
ウォッシュドが殆どで、中には昔ながらの伝統的な方法(ケニア式)を採用しています。
ケニア式は、「ハンドピック→チェリーの手選別後→水流比重選別式パルパーによる皮むき→発酵工程→ソーキング(きれいな水に一昼夜浸漬)→水路で水洗→アフリカンベッドでのパーチメントの天日乾燥→パーチメントの安定化を経て脱穀→選別」
発酵工程後、ソーキングするのがケニア式ならではです。
その他の精製方法について詳しく知りたい方は「こちら」をどうぞ
等級
スクリーンサイズによって、7つに区分されます。
AA | スクリーン17〜18 |
AB | スクリーン15〜16 |
C | スクリーン15〜16 |
E | 巨大種の豆、やや大味 |
TT | AA・ABの中から風圧で飛ばされた軽量豆 |
T | 非常に小さく細い豆。欠点豆を含む |
PB | 丸豆(ピーベリー) |
生豆・煎り豆の外観・コーヒー液の品質によって、1〜10までクラス分けされます。
- FINE(最高)
- GOOD
- FAIR TO GOOD
- FAIR AVERAGE QUALITY(標準)
- FAIR
- POOR TO FAIR
取引
首都ナイロビで毎週コーヒーのオークションが行われます。ライセンスをもった輸出業者などが競りに参加できます。
1930年代から行われ、品質に基づいた透明性の高い価格決定の仕組みとしてケニアコーヒーの品質向上・維持に大きく貢献しています。
規制緩和により、オークションを経由しなくても直接売買可能となりましたが、現在でも大多数のコーヒーがオークションを通じて売買されています。
コーヒー豆の紹介
約60%は約70万世帯の小規模農家によって生産され、残りは4000程度ある大小様々な農園です。
それらの中から、これまで扱ったケニアのコーヒー豆の特徴を御紹介します。
ギキリマ
地域:ニエリ地区
標高:1800m
品種:SL28,SL34他
規格:AB
精製方法:ケニア式
【特徴】
ケニアらしい明るくフルーティーな酸味がしっかりあります。
力強さもあり、酸味を活かすなら浅煎り、苦味を利かすなら深煎り。
焙煎度合いも幅広く楽しめることができます。
個人的には、少し酸味を残し、苦味をきかせ、ボディ感をしっかり出せる中深煎り(フルシティロースト)がオススメです。
ミルクとの相性もよく、エスプレッソでもドリップでも楽しめる仕上がりになります。
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